『新しい時代のお金の教科書』から考える未来を生きる小学生たちへの社会科の授業
これから未来を生きる君に特別な授業をしようと思う。
これは社会の授業とかで本当は話したいことだ。
でも私たち先生は学習指導要領通りの内容を網羅しなくてはならない。だから本当に君たちに必要なことを教えられるとは限らない。
今日はすべての著作を徹底的に読み込んでいる山口揚平さんの本を使って、
君たちに本当に教えたいことを教えようと思う。
何かのきっかけに本当に普段授業をしている君に届けばいいなと心から思っている。
先生が赤字で書いている時は本の引用だ。黒字は先生が自分で考えたことだから、それを分けて理解してほしい。
先生はいつも言っている通り、でもしか先生といわれる「先生にでもなろうか」「先生にしかなれない」先生になりたくなかったから、社会に出た。
社会に出ると学校までの常識が通用しなかった。
しかし、今君たちが生きていく社会は、その社会とも違う。
一生勉強だ。この本はちょっとだけ未来の真実を教えてくれる。
君たちが年末年始にお年玉の金額で
「あのおじさんイイヒト!」と決めるように、お金はとっても大切だ。
お金の起源を「貝殻の交換」と習ったし、学校で君たちの先輩たちにそう教えてきた。
しかし、それは違ったようだ。
実は台帳に記録することがお金の起源。
君たちがノートを一生懸命取り、お母さんたちが家計簿をつけるように
私達の先祖たちも記録していった。
ある日、お魚20匹と記録をする。
それを果物と交換する。
どんどん記録が溜まっていくと、「あ、このひとはいつもちゃんとお魚を用意してくれるんだ!」そこから信用が生まれる。
君たちが学期末にもらう通知表は、君たちの信用を数値化したものだ。
別にテストで100点が取れなくてもいいけど、クラスメイトや先生たちに信用されることは重要だ。
実際に中学校から高校、大学へ推薦入試というのがある。
これは信用によって、学力審査が免除される仕組み。
君たちにもイメージできるだろう。
お父さん、お母さんに塾に行きなさい!とか偏差値が低いと言われると
死にたくなるだろうけど、ちょっと待ってほしい。
君が家に帰ってお母さんを待ちながら絵を一生懸命書いているとしたら、
けっこういい。
そして縄跳びができることだってけっこういい。
結成5カ月!にゃんこスター コント「縄跳び」【キングオブコント2017】
こんな風に一晩にして、縄跳びだけで一気に有名になることだってある。
小学校の先生は、あんまりそんなことないけど中学校・高校では受験に関係する能力があることが評価され、それ以外はあまり評価されない。
でも評価されなくても、あきらめないでほしいんだ。
観察や、絵を描くことは本当に重要。
コンサルタントが作る何億円のPPTだって、実際は絵本のイラストみたいなもの。
イメージする力を高めよう。
最近まで君たちは、中国人と聞くと「ちょっと信用できない」というイメージがあったと思う。先生もそうだった。
でも、信用が大切になってくると、みんな振る舞いが変わる。
先生がネットショップを経営していた頃、評価というのがとっても大切だった。
売上に直結するからね。
今だってAmazonの評価を見て本を買ったりする。食べログを見て3.5だったら予約したりする。それが信用経済のはじまり。
君たちだって、ユーチューバーの再生回数やツイッターのフォロワーが多い人を尊敬しているからイメージ湧くよね。
この歌の上手い中学生は、世に出ている。
彼女が有名になって、いろんな場所で歌ったら人気者になるだろう。
ちょっと昔だったら事務所に所属して、管理される。
でも今は違う。Showroomという動画投稿サイトにアップしてもいいし、
ユーチューブに楽曲をあげてもいい。そしてツイッターでフォロワーが増えれば
そこら辺の地下アイドルよりも人気者だ。
君たちが生きる時代はそういう時代。
だからこそウソがつけない厳しい時代とも言える。
コツコツ信用を溜めよう。
先生のご機嫌をとったりする力も意外と大切だから、好意を持っている演技が上手い女子は立派だ。(もちろん私は本質を見ているから騙されたりしない)
今までは、タテ社会だった。東大を中心とした学歴社会。そして上場企業を中心としたサラリーマン社会。でも君たちが大人になる頃には本当に変わってしまう。
英検1級を取ったり、TOEICで満点を取ることももちろん大事。
でも、そうではなくて、オリジナルな価値が問われるんだ。
オーストラリアのスーパーで買い物☆ Australian Supermarket!〔#659〕
彼女のようにユーチューブをあげているだけで人気者になれる。
いかに頭を使って評価を上げるか。
そういう戦いになっているんだ。
まとめるとこうなる。
君たちが大人になると人はどんどん意味を求めるようになる。
モノは満たされ、社会的に認められたいという欲求が強まる。
言われたことをやるだけの事務処理ができるだけではだめだ。
それではコモディティと言って、代替可能になってしまう。
サッカーでレギュラーを変えられる感じ。
先生のお父さんも昔、「お前の代わりなんていくらでもいる!」と言われて相当ショックを受けていた。
英語とマンガとネット、とか
歌とスナック、とか
みんなで知恵を出して考えていこう。
これからも大切なことはたくさんある。
今の学校で習っていることだって結構大切だ。
でも、君たちが小学校を卒業して、中学校から大学に行く間に
上の右側にならないでほしい。
競争して、人気がない事務処理型の秀才は代替可能だし、
人気がなくて嫌われるから稼げないぞ。
まずは、ちゃんとテストで100点を取って
周りのお友達に勉強を教えたり、
イイヒトになって応援されやすくなろう。
そうすれば信用が積み重なって、
充実した人間関係を築けて、
お金にだって困らなくなるから。
今日の授業はおしまい。
またな。